自分が上手に調子に乗ると、由美子さんが合いの手を入れてくれる。もちろん調子に乗るのは上手にという条件付だが。この感じならうまく行きそうだ。

若いときにやったゲームなどでも同じく、自分の「カタ」に持って行くとうまくいくことが多い。会話もまたしかりだと思う。自分のカタを崩されない相手。そういう人だとお付き合いはずいぶん楽だ。

知らない間に、隣のお見合いカップルは別のお見合いカップルに入れ替わっていたようだ。自分たちは2人ともコーヒーを飲みきったにもかかわらず、まだ他愛のない話が続いていた。

もうそろそろ今回はリミットだと思う。

「あっ。もうかなり時間過ぎちゃいましたね。ごめんなさい。そろそろお店出ますか。」
「わかりました。」

伝票にそっと手を伸ばし、取ろうとした瞬間だった。

「もりおさん、よかったらでいいんですけど。」
「はい?何ですか?」
「この後、別のお店でお茶どうですか?」
「はい?」

あれ??この話の流れ。どこかであったよな。。

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