「あー。たぶんあそこじゃないかな。看板らしきもの見えますね。」

だから多分ではない。うそ発見機があれば完全に見抜かれるであろう。結果としてお店には難なくたどり着く。

「もりおさん何か食べますか?」
「いえ、そんなにお腹は空いていなくて。」
「じゃあ私もやめておきます。お茶だけにします。」

「全然遠慮しないで下さいね。もしお腹すいていたら遠慮無く食べて下さいよ。」
「はい。お気遣いありがとうございます。」

彼女の様子はどこまで本当かわからないが、実は自分のお腹はそこそこ空いていた。だがここで食べてしまうと、どうも同じ流れを繰り返しそうで嫌な予感がした。少しでも前の余韻を覆したくて、我先にと2人分の会計を済ませた。おつりはいらないと言わんばかりの勢いだった。

「ここもごちそうになっていいんですか?」
「もちろんいいですよ。気にしないで下さい。」

「私がお誘いしたのにここもすみません。ありがとうございます。」
「いえいえ。男性が払うのが当たり前ですよ。」

由美子さんが笑顔を見せたことでこちらの気も緩んだのか、ここで調子に乗って悪い癖が出た。

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