「もりおさん、もうお店出ましょうか。」

「ごめんなさい。そうですね。ごちそうさまでした。」

レジへ向かい会計を済ませる。食べ終わってから次はどこへ行こうという楽しい雰囲気ではない。

「今日もう自宅帰られますか?」

「そうですね。ごめんなさい。今日は帰ることにします。」

「私がここのお店行こうって言ったばっかりにごめんなさい。」

「違いますよ。由美子さんのせいじゃないですよ。」

これ以上どうフォローすればいいのだろう。冗談で流そうなどといえる感じではない。言葉少なに駅へと向かう。いい歳をして情けなかった。

「由美子さん、今日もありがとうございました。」

「いえいえ、こんなデートになってしまってごめんなさい。」

軽く会釈をしてお別れとなった。

一問一答で終わるような淡々とした会話がなんとも重い。

帰りの電車でいつものようにお礼のメールを送ろうとするが、書き出しすら出てこない。食事で満腹。頭が回らないなんてことが理由ではなく、単にどう切り出していいのかわからないのだった。

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