携帯を見ながら時間を潰す。実は麻美子さんが出てこなかったというオチにはならず、しばらくして彼女は現れた。

「お待たせしました。」

「じゃあ行こっか。」

再び麻美子さんの手を取り歩き始める。

「けっこう時間経つの早いね。びっくりしたよ。」

「そうだね。人混みなかなか進めなかったからね。」

「出てから夕ご飯食べようか。」

「うん。そうだね。」

「何か食べたいものある?」

「うーん、特にないかな。もりちゃんにお任せします。」

特にご飯先は決めていない。お任せの言葉通り、早く座れそうなところがあればそこにしよう。

水族館はやがて出口付近へ。麻美子さんが珍しく

「ちょっと電話していいかな。」

と一言。

「いいよいいよ。仕事かな。忙しいね。」

「うん、仕事じゃないんだけど。」

仕事じゃなければ何だろう。電話相手について深く追求していいものだろうか。あまり踏み込むべきではないのか。

「ごめんね。お待たせしました。」

「うん、いいよいいよ。」

麻美子さんの表情は電話前と後で変わっているように見えない。特に大した用件ではなかったのかな。

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