いくら初詣では人がいる場所とはいえ、今日は普段の休み。参拝客はまばらだ。

この神社での挙式をしたのかどうかわからないが本殿へ向かう途中に、紋付き袴に白無垢というカップルとカメラマンを見かける。今日は大安だったのだろうか。

「あの2人ってここで結婚式ですかね?」

有里さんはわからないですという顔をする。有里さんに正解を求めていないがちょうどいい機会だ。

「そういえば、有里さんはこういう結婚式がしたいとかあります?」

結婚に関する話がなかったことが別れの原因と言われないために、こういったところを使ってでも何か、結婚の話題に触れておかなければ。また、最終目的地である結婚を意識させることにも繋がるため大切なことだと思う。

「結婚式ですか?うーん。普通のがいいです。」

その普通ってどんなんだよ!と心の中でツッコミを入れつつ、やさしく質問として聞いてみる。

「そうですよね。僕も変わったのより普通のがいいと思います。例えば有里さんの考える普通のってどんなのですか?」

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