大晦日。仕事でもないのに普段通りに目が覚めた。最終兵器となる引出しに入れてあった指輪の小箱をそっと開ける。

今日、渡すんだな。

いまはそれ以上うまく言葉にできない、ただただ熱いだけの想いを箱に閉じ込める。

身支度を調え、指輪をダッシュボードに入れる。エンジンをかけいざ出発だ。普段平日には車に乗らないからわからないが混み具合はこんなものだろうか。それとも大晦日だからだろうか。かなり順調に車は走る。

車では電車のようには時間が読めないため家を早く出たが、待ち合わせには20分も前に着いた。まどかさんとの出会いは遅刻に始まったが、プロポーズの日はこんなに早くなるなんて。

駅近くに車を止め、車内で再度今日のシミュレーションをする。落ち着いて考えたいが心臓が言うことを聞かない。期待と興奮と不安をブレンドした鼓動が止まらない。

意味もなくダッシュボードを開け指輪を確認する。ダッシュボードに穴でも開かない限りなくなることはないのに。

もうすぐ着きます!

まどかさんからメールが届いた。

よし!

大きく息を吸い込んで再びエンジンをかける。長い一日が始まる。

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