まどかさんはじっと固まった。と同時に涙がこぼれたみたいだった。少しうつむいて動かない。しばらくして再び顔を上げる。

「こちらこそよろしくお願いします。」

強い口調にもかかわらず包み込むような優しさに満ちた返事だった。

開けたケースから指輪を取り出し薬指にはめる。何も打ち合わせなんてしていないのに驚くほどすんなりと指を通る。もう一度まどかさんを見つめ微笑む。

「ありがとう。」

まどかさんも同じく微笑んでくれる。

「えっと。。。これでプロポーズ終わりです(笑)」

次にどうすればいいかわからず、思わず口走ってしまう。

「あはは(笑)ありがとうもりちゃん!」

「では。本当に行きますか!」

心地よい速度で車は動き出し、ほどなく本線に合流する。

横目でちらちらと見るたびにまどかさんが指輪を見つめている姿が目に入る。

「もりちゃん。一つ聞いていい?」

「はい。どうぞ。」

「指輪、いつの間に用意したの?」

「実はね23日にクリスマスプレゼント買いに行ったでしょ。あの時ね…」

あの時の指輪準備の経緯を話す。まどかさんはうんうんと大きく頷きながら聞いている。

「もりちゃんと結婚したらあやしい動きに気をつけるよ(笑)」

再び指輪を見てまどかさんがつぶやく。

これでよかった。本当によかった。心の中で何度も繰り返す。

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