左側も男性が到着。ちょうど自分の前だけが空席になり両隣は互いにあたりさわりのない話をしている。隣同士の席間隔は狭いので、何を話しているか本当によくわかる。他人の話に耳を傾けている場合ではなく、目の前に集中しないと。

開始3分?4分前だっただろうか。やっとお向かいさんがやってきた。お前が言うなと言われるのを承知で、左前、右前の女性に比べると、ちょっと妙齢の女性だった。顔がすべてではないが、顔だけで例えるなら、カオリちゃん、早川さん、花沢さんといったところか。もちろん目の前は花沢さんだ。

これがお見合いなら、どうやって切り上げようかと考えるところだが、これはパーティ。カオリちゃんとも早川さんとも、後ほどしゃべることができるのだ。パーティも悪くない。

カオリちゃんと早川さんはすでに埋まっているので、やってきた花沢さんと話す。

「はじめまして。今着かれました?」
「はい。」

花沢さんはこの一言だけであまりリアクションがよくなかった。その後は特に会話もなく時間が過ぎるのを待つ。いろんなひとがいるものだ。

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