帰りの電車の中だった。マナーモードにしそびれていて携帯が鳴った。発信元は相談所、おそらく山田さんだろう。

「すみません。今電車なのであとでかけ直します。」

「では簡潔に用件だけ申し上げます。心愛さんから交際中止のご連絡がありました。」

「へ?」

「取り急ぎと思いましてご連絡差し上げました。」

「わかりました。」

おいおい、それ。今言うの?確かに大事な用件で一言で済む内容ではあるけれど。

取り急ぎ(連絡は取らないで。連絡先等は消して下さいね)の意味を含んでの取り急ぎだったのだろう。あとのセリフは雛形なので聞かなくてもわかる。

電車を降りてから家に帰るまでの間にあらためて相談所に連絡を入れる。

「お世話になっております。もりおと申します。山田さんお願いします。」

電話を取り次いでもらう。

「山田です。さきほどは失礼しました。」

「いえいえ、こちらこそ、車内で音消してなかったものでびっくりして。心愛さんとは中止と言う事ですよね。」

「はい。そうです。今後の連絡は中止のうえ、連絡先等は削除をお願いします。」

「わかりました。ところで心愛さん、何か言ってませんでした?」

「お相手の相談所の担当者からでしたが、特に何も伺っておりません。」

「そうですか。わかりました。ありがとうございます。」

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