「今時間が時間じゃないですか。近くの店はけっこう混み合ってると思います。少し歩いた喫茶店なら席があるかなあと思ってるんです。」

「はい。」

はい。だけのリアクションではどう動くのが最適かよくわからない。

「えっと、少し歩きましょうか。」

「はい、そうですね。」

やっと、はい。の他の言葉をいただいた。

人混みの中を一緒に歩きながら、喜美代さんの様子をうかがう。

「今日はありがとうございます。」

「いえいえ。」

しばらく、会話がない。

「喜美代さん、もしかして緊張されてます?」

「少しは。」

「そうですよね。あの緊張しないでリラックスして下さいね。」

「はい。」

ここまででいくつの単語をいただいたのだろうか。なんとかして「会話」をしようとこちらは試みるのだが、喜美代さんにその気持ちがないのか。それとも極度のあがり症なのか。再び会話がない。

街中をいつまでも並んで歩けるわけではないため、途切れ途切れになる時間に逆に救われた。

こんな調子で、目的の喫茶店にたどり着く。

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