2人で歩いている最中に、彼女宛に何度か電話があった。内容は出勤している同僚からで、書類のありかがわからないらしい。けっこうきつい口調で、彼女は指示をしていた。普段の彼女ってこういうのなのかな。今は「よそ行きの姿」だとしたら、これから一緒にいることを考えると、ちょっと疲れる時もあるかもしれないな。やがて、3時前になった。

「けっこう歩きましたね。疲れたからお茶でもしましょうか。」レストラン街にあるお店でお茶を飲むことにする。館内はもちろん空調が効いているものの、暑いことに変わりはない。メニューにはかき氷。彼女は宇治金時をオーダーした。自分も同じものをと思ったが、梅酒を使ったかき氷という珍しいメニューがあった。なにかの拍子に聞いたところによると、彼女は職員の間でお酒を飲む機会が多いらしい。珍しいものとお酒つながりで、これをきっかけにして何か話を広げられるかもしれない。

「あっ。この梅酒なかなか濃厚な味ですよ。」かき氷をお互いに交換したりして、いい雰囲気だなと悦にいる。ところがこの濃厚な味には思いがけないトラップがあった。

本当に梅酒は濃厚だった。安い居酒屋で出てくるような梅酒の薄さではなかった。歩き回って疲れている身体に、本気の酔いが襲ってくる。


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