彼女が席を外した隙に時計に目をやると1時間は過ぎていた。試験に仕事にと忙しい人なんだな。忙しいという言葉にいい思い出はない。

「ごめんなさい。すみませんでした。」彼女が帰ってきた。
「お仕事の電話ですか?大変ですね。」
「いえ、違うんです。母に晩ご飯は家で食べると電話をしてきて。」


いまの状況を整理してみる。整理するまでもなく2人はお見合いをしている。間違いない。お見合いはまだ終わっていない。話の最中だ。親に電話をする。内容も今日のご飯を食べること。これって。。。どうなんだろう。かかってきたのではなく、自分から電話をした。申し訳ないけれど、自分の理解を超えている。彼女は若い。でもイマドキのワカモノの世代でとはいえない。

「お母さん、厳しい方なんですか?」「いや、そういうわけではないんですけれど。」もうこのことには触れないでおこう。

話を元に戻す。また他愛のない会話をすすめる。しばらくすると、彼女の姿勢が常に前屈みになってきた。テーブルを挟んで向かい合っての状態なので、よくわからないが体が上下に動いているように見える。あまりにこの状態が続くので聞いてみた。

「何か。体、大丈夫ですか?気分でも悪いんですか?」
「足がかゆくて。一度掻くとやめられなくて。」

数日前、蚊に刺されたらしい。かゆみが止まらないらしい。繰り返すがここはお見合いの場所だ。今はお見合いの最中だ。

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